ユーロ/円相場は、106~107円水準まで値位置を切り上げる展開になっている。ギリシャ支援問題の進展期待に加え、円売り圧力も継続していることで、概ね4月下旬以来のユーロ高・円安水準に達している。ただ、ここにきて対ドルでの円安圧力が一服していることもあり、ユーロ買い・円売りの動きも鈍化している。
20日に開催されたユーロ圏財務相会合では結論が先送りされ、26日に再協議が行われている。まだ詳細については明らかにされていないが、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は合意を歓迎するとの声明を発表しており、少なくとも一定の進展はあった模様。国際通貨基金(IMF)とギリシャは、同国の対国内総生産(GDP)比での債務を124%に削減することで合意したとも報じられており、欧州債務問題に対する警戒感が後退している。これが最終的な問題解決に至ることは意味しないが、当面の先行き不透明感が解消されることが、ユーロの下値不安を限定しよう。
一方の円サイドでは、10月30日の金融政策決定会合で物価1%上昇が「見通せるようになるまで」金融緩和を継続する方針を、「安定的に達成するまで」に変更する議案が提出されていたことが確認された。日銀内でも緩和姿勢強化の動きが浮上していることが確認できるも、反対多数で否決されており、当面の政策変更には懐疑的にならざるを得ない。ただ衆院選挙を控えて、主要政党は軒並み金融緩和策の強化を訴えており、主要通貨に対する円売り圧力が継続され易い地合が続く見通し。
今後1週間の予想レンジは、105.50~108.00円。